バリウム検査って本当に安全?がんのリスクはあるの?

健康診断でバリウム検査を受けると、「バリウムって体に悪いのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。

結論から言うと、バリウム検査が直接がんを引き起こす科学的な証拠はありません。 では、なぜそう言えるのか? この記事では、バリウムと発がん性の関係についてわかりやすく解説します。


バリウムって何?安全なの?

バリウム(Ba)は自然界にある金属元素の一つで、医療では 硫酸バリウム(BaSO₄) という形で使われています。硫酸バリウムは 水に溶けず、体に吸収されにくい ため、安全性が高いとされています。

一方で、バリウムには 水に溶ける種類(バリウム塩) もあり、これらは毒性を持つことがあります。ただし、医療用バリウムとは全く別物なので、心配する必要はありません。


バリウムと発がん性の関係は?

1. 医療用バリウム(バリウム造影剤)

安全性が高い:硫酸バリウムは消化管を通過した後、便と一緒に体外へ排出されます。 ✅ 科学的な証拠なし:これまでの研究で、バリウム検査ががんのリスクを高めるという証拠はありません。

2. 水溶性のバリウム化合物(バリウム塩)

毒性があるものも:一部のバリウム化合物(例:塩化バリウム、硝酸バリウム)は神経や心臓に悪影響を与えることが知られています。 ⚠ 発がん性の可能性は不明:動物実験では高濃度のバリウムが細胞の変異を引き起こす可能性が指摘されていますが、人間に対する明確なリスクは証明されていません。


国際機関の見解

  • WHO(世界保健機関)IARC(国際がん研究機関) は、バリウムを発がん性物質として分類していません。
  • つまり、通常の生活環境や医療での使用において、バリウムががんの原因となるリスクは確認されていません。

バリウム検査のメリットと注意点

✔ メリット

  • 胃がん・大腸がんの早期発見に役立つ
  • 消化器系の異常をしっかりチェックできる

⚠ 注意点

  • 便秘になりやすい → バリウムは腸内で固まりやすいので、水分を多めに摂ることが大切です。
  • まれにアレルギー反応 → ごく一部の人に、腹痛や気分不良が出ることがあります。

結論:バリウム検査は安全で有益!

バリウム検査ががんを引き起こす科学的な根拠はありません。むしろ、消化器系の病気を早期発見するための重要な検査です。水溶性のバリウム化合物は毒性があるため、長期的な高濃度暴露は避けるべきです。

もしバリウム検査後に体調がすぐれない場合や、不安がある場合は、医師に相談するのが安心です。

健康診断を正しく活用し、病気の早期発見・予防に役立てましょう!